つりと
2021年4月1日、遂に「船舶免許2級」を取得いたしました
取得までの道のりをもとに、これから船舶免許を「独学」で取得しようと考えてる方の参考になればと思います。
同様の内容は「JMRA 一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会」のサイトでもご確認いただけます。
目次
学科試験
試験科目と試験期間
1)学科試験には、一般科目(小型船舶操縦者の心得及び遵守事項、交通の方法、運航)と上級科目(上級運航I、上級運航II)があり、一級は一般科目と上級科目、二級は一般科目を受験します。
2)試験時間は、一級は2時間20分、二級は1時間10分です、ただし、既に操縦免許を受有している方や海技士資格をお持ちの方は、一部の試験科目が免除され、試験時間も短縮されます。
教科書と問題集
実際に独学するにしても、教習所同様に教科書や問題集などがあった方が役には立ちます。ネットの情報だけではなかなか勉強するには乏しい部分もありますので、まずは購入する事をおすすめします。
二級及び一級より出題される一般科目についてのテキストです。
一級船舶免許より出題される「上級科目」についてのテキストです。
2級船舶操縦士の学科試験問題集です。
1級進級用の学科試験問題集です。
一般科目
前項で書いた通り、学科試験には「一般科目」と「上級科目」があります。中でも「一般科目」は船舶免許を取得する上での基本項目ですので、免許取得後も頭に入れておかないといけない大事なルールに纏わる科目です。しっかり覚えて「船舶レジャーライフ」に活かしていきましょう。
一般科目にも大きく3つの種類があります。
1科目:「小型船舶操縦者の心得及び遵守事項」
2科目:「交通の方法」
3科目:「運航」
それぞれどれも落とせない科目なので、詳しく解説していきます。
出題範囲は非常に広いですが、特に高確率な出題部分を記載いたします。
1科目,小型船舶操縦者の心得及び遵守事項
ここでは細かく分けて3つに分類され、出題数12問で配点120点です。
合格基準:12問中6問以上
水上交通の特性
・水上交通は各国とも右側通行が原則です。
・大型船の特性
大きな死角がある。
操縦性能が低くすぐに進路変更できない。
急に止まれない。
・ヨットの特性
風上に向かっては、斜めに走る事ができる。
エンジンを使用している場合は、
帆のみで航行している場合よりも操縦性能は良い。
・水上オートバイの特性
船底にプロペラや舵などがない為、比較的浅い場所を航行できる。
加速が良く、高速走行する事ができる。
・漁法のいろいろ
図をみて特性をイメージ出来れば良いと思います。
・プレジャーボートの海難事故の種類と発生原因
(衝突、機関故障、乗揚、転覆それぞれ特性。)
小型船舶の船長の心得
・水域毎のルールや遵守事項を守り、他の利用者と譲り合って水域を使用する。
・海上では、操縦性能が高い者が低いものを避ける慣習がある。
・ゴミを海に捨てない、ライフジャケットを着用するなどの基本事項。
・他人や他船に迷惑のかからない安全な速力で航行する。
・ダイバーを潜水させている標識
(国際信号旗の「A旗」)が掲げられていない場合もある。
・海上での事故等は海上保安庁「118」に連絡する。
(湖や河川は警察)
小型船舶の船長の遵守事項
・酒酔い操船の禁止
・自己操縦(免許受有者が操船する事。)
・危険操縦の禁止
・救命胴衣の着用(義務化されています。)
・免許取得資格年齢(1級、2級は18歳以上など。)
・免許有効期間5年で更新手続きが必要。
・免許の取り扱い
・小型船舶定期検査6年、中間検査3年で受験が必要。
(1)レジャーや仕事などの目的で、さまざまな人が同じ水域を利用している。
(2)水上は原則として速力の制限はないが、まわりに迷惑がかからない速力で航行する。
(3)気象状況が悪くなった場合は、自力安全な水域まで避難しなければならない。
(4)船は不安定な水面に浮いているが、風や波などの影響は受けないので安全に航行できる。
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4
(1)1歳以上6歳未満の子供は3人を2人として計算する。
(2)1歳以上6歳未満の子供は2人を1人として計算する。
(3)1歳以上12歳未満の子供は3人を2人として計算する。
(4)1歳以上12歳未満の子供は2人を1人として計算する。
解答を表示する
4
次のうちから選べ。
(1)見張り不十分や機関の取り扱い不良
(2)船体の材質や構造の不良
(3)気象や海象の急変
(4)船体の手入れ不十分
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2
2科目,交通の方法
ここでは細かく分けて4つに分類され、出題数14問で配点140点です。
合格基準:14問中7問以上
2科目に関しては、どういうものであるのか、また状況を判断する為には、などルールとしての暗記が求められる部分で、実際のテスト問題では、引っ掛け問題が大半を占めています。
覚えるべき用語やルールを紹介しますので、詳細については教科書等を参考にしてみてください。
一般海域での交通の方法(海上衝突予防法)
・用語の定義
動力船とは・・・
帆船とは・・・
漁ろうに従事してる船舶とは・・・
運転不自由船とは・・・
操縦性能制限船とは・・・
・あらゆる視界の航法
船舶は常時「安全な速力」で航行しなければならない。
衝突を避けるための動作の要件
・互いに視野の内にある場合の航法
行会い船の航法
追い越し船の航法
横切り船の航法
保持船と避航船の航法
各種船舶間の航法
・狭い水道の航法
やむお得ない場合を除いて、狭い水道で錨泊してはならない。
・視界制限状態の航法
・灯火
マスト灯(白)
右舷灯(緑)「う・み」と覚える
左舷灯(赤)「さ・あ」と覚える。
※それぞれの特色を可能な限り覚える事。
※航法と組み合わせた問題は高確率で出題される。
・形象物
1.球形(錨泊船)
2.円すい形
3.円筒形
4.ひし形
5.つづみ形(漁ろう船)
※1.5は出題されやすい
(1)Aは針路を右に転じ、Bは針路、速力を保つ。
(2)Bは針路を右に転じ、Aは針路、速力を保つ。
(3)A、Bともに、針路を右に転じる。
(4)A、Bともに、針路を左に転じる。
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3
(1)他船の動きを確認するため、十分に近づいてから行う。
(2)速力の変更は、できる限り少しずつ行う。
(3)針路の変更は、できる限り小角度で行う。
(4)他船との間に安全な距離を保って通過できるように行う。
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4
(1)そのときの針路と速力を保ち、十分に注意して航行する。
(2)できる限り早めに、はっきりと分かる動作をとって、他の動力船の進路を避ける。
(3)直ちに急速に短音5回以上の汽笛信号を行う。
(4)他の動力船の操船信号を確認するまで、長音1回の汽笛信号を行う。
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2
港内での交通の方法(港則法)
・港内における航法
港の入り口付近の航法
港内における速力の制限
防波堤及び停泊船等の付近での航法
・航路での航法
航路内優先
並列航行禁止
右側通行
追い越し禁止
投びょう禁止
・汽艇等
汽艇等とは・・・(※汽船は動力船の総称)
特定海域での交通の方法(海上交通安全法)
・適用海域と航路
①東京湾 :浦賀水道航路・中ノ瀬航路
②伊勢湾 :伊良湖水道航路
③瀬戸内海:水島航路・来島海峡航路 etc
※それぞれ地図上の位置関係も認識しておくと良いです。
・巨大船 漁ろう船等
巨大船・・・全長200m以上の船舶
・航路での航法
航路航行中の優先
巨大船は航路内航行中の場合一番優先される
(1)A、Bともに右側に寄って航行する。
(2)A、Bともに左側に寄って航行する。
(3)Aは防波堤の外でBを避け、Bはそのまま出航する。
(4)Bは防波堤の内でAを避け、Aはそのまま入航する。
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3
湖川及び特定水域での交通の方法
・都道府県条例
水上安全条例
環境条例
河川法
河川通行標識
(1)条例により、各都道府県が独自に定めた標識を設置している水域がある。
(2)条例により、船舶の航行を制限したり禁止している水域がある。
(3)条例に違反した者の取り締まりは、各都道府県の警察が行っている。
(4)条例が定められているのは、滋賀県と山梨県のみである。
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4
3科目,運航
ここでは細かく分けて8つに分類され、出題数24問で配点240点です。
合格基準:24問中12問以上
最も多い出題範囲なので、しっかり覚えておく必要があります。
操縦一般
・船舶の航走姿勢
排水型とは・・・
滑走型とは・・・
・舵の作用
滑走型・・・内側(舵を切った側)に傾斜する。
排水型・・・外側(舵を切った反対側)に傾斜する。
プロペラの作用
一軸右回り船(プロペラが1つで、前進時船尾から
見て右方向に回転)は、後進時は船尾を左に振る
ように作用する。
・出入港 係留 錨泊
係留・・・風上や上流側から係留する。
解らん・・風下や下流側から解らんする。
錨泊・・・錨地の底質は泥や砂が良い。
・船体安定及びトリム
トップヘビー・・・悪い(重心が上)
ボトムヘビー・・・良い(重心が下)
船尾トリムが大きすぎると良くない。
・狭水道航法
前方にある2物標の重視線を船首目標にする。
・狭視界航法
見張り員の増員、耳を澄ます、衝突を回避する。
エンジンはいつでも使える状態にする。
・曳航時の操縦
船舶の交通量が多くなった時はロープを緩め速力を下げる。
波浪が高くなった時は曳航ロープは長くする。
・遊具等のトーイング
速力が速いほどプレーヤーが外側に振られやすい。
(1)速力をいったん落としてから転舵する。
(2)乗員は姿勢を高くして、旋回方向の反対舷から身を乗り出す。
(3)急ハンドルとならないよう、小角度で転舵する。
(4)急激な左右交互の転舵は行わない。
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2
(1)着岸地点を目標に、風や流れを考えて進入角度を決め、低速で進入する。
(2)着岸地点の少し手前でエンジンを中立にし、惰力で進む。
(3)船尾を岸壁側に寄せるため、舵を中心にして着岸地点の真横で強めにエンジンを後進にかける。
(4)行き足がなくなった後、係留ロープを岸壁に送り、船体を引き寄せる。
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3
(1)人や物を高い所に積むと、船の重心が高くなる。
(2)人や物を低い所に積むと、船はボットムヘビーの状態になる。
(3)ボットムヘビーの状態で航行すると、船が傾いたとき、元の状態に戻りにくくなる。
(4)人や物は船の前後左右に均等に積むほうが、船体の安定がよくなる。
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3
(1)曳航を開始するときは、勢いをつけるために高速で引き始める。
(2)視界が悪くなったときは、速力を落として曳航ロープを短くする。
(3)曳航ロープは、解き放つことができないように固く結ぶ。
(4)荷物は、引く船から引かれる船に移す。
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2
航海の基礎
・航海計器
磁気コンパスの読み方
偏差
・沿岸における航法
<距離>
海里(マイル)1マイル=1,852メートル
緯度1分=1海里=1,852メートル
1度=60分=60海里(60マイル)
<速力>
1ノット=1時間に1海里(1,852m)航行する速力
(1)偏差が偏東である。
(2)偏差が偏左である。
(3)自差が偏東である。
(4)自差が偏左である。
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4
(1)0.5海里
(2)1海里
(3)10海里
(4)60海里
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2
航路標識
緑・・・左げん
赤・・・右げん
紅白・・安全水域
黒・・・障害灯
※船舶の左舷灯や右舷灯とは逆なので間違えないように。
※方位浮標は記憶するしかないです。
西方位は「ワイングラス」の様な形なので、
「WINE」のWで「WEST」と記憶すると他は覚えやすと思います。
・灯台
灯質・・・
※灯台の問題は1問となっているが複雑である。
・水路図誌
<海図の主な用語の意味>
最高水面
平均水面
最低水面
等深線
<海図図式>・・・漁港マークなど
(1)単明暗光・・・緑色
(2)単閃光・・・・緑色
(3)不動互光・・・赤色
(4)不動光・・・・赤色
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1
船体・設備・装備品
・名称 使用法
<機関の装備方法による分類>
船外機船
船内外機船
船内機船
ウォータージェット船
<船体各部の名称>
トランサム・ボットムプラグ
バウアイ・クリート・両色灯
ビーム・フレーム・キール
ガンネル・ファンダー
<設備の名称>
ビルジポンプ
スカッパー
・ロープの取り扱い
<ロープワーク>
ひとえつなぎ
ふたえつなぎ
本結び
クリート止め ※実技あり
もやい結び ※実技あり
巻結び ※実技あり
いかり結び
※印は実技試験で出やすい結びです。
・発航前の点検
船体の点検
法定整備の点検
(1)太さの違う2種類のロープをつなぐ場合
(2)ロープが滑車から抜けるのを防ぐ場合
(3)アンカーロープをアンカーリングに結びつける場合
(4)係留ロープを桟橋上のビットに結びつける場合
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4
(A)燃料パイプの下部や接続部に触れたとき、指先に燃料油が付くようであれば正常である。
(B)燃料コックが開いていること、燃料フィルターにゴミや水がたまっていないことを確認する。
(1)(A)だけ正しい
(2)(B)だけ正しい
(3)ともに正しい
(4)ともに誤っている
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2
機関の取り扱い
・エンジンの基礎知識
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの燃料原理
4ストロークエンジンと2ストロークエンジンの比較
・燃料系統
燃料の流れる仕組みを覚える(順序)
・機関の点検
※実技試験項目にて詳しく
・運転中の注意事項
主要計器の働き
異常を感じた場合の処置
エンジンが停止した場合の原因
・定期点検項目
※実技試験項目にて詳しく
(1)霧状にした燃料油と、空気の混合気を作る。
(2)燃料タンクからエンジンに、一定の圧力で燃料油を送る。
(3)シリンダーに送る混合気の量を調節し、エンジンの回転数を調節する。
(4)キャブレターに流れ込む空気の量を変え、混合気の濃度を調節する。
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2
(1)リモコンレバーを前進の位置にして、スタータースイッチを入れる。
(2)リモコンレバーを後進の位置にして、スタータースイッチを入れる。
(3)エンジン始動後も、しばらくの間、スターターモーターを回転させる。
(4)リモコンレバーの中立を確認して、スタータースイッチを入れる。
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4
気象・海象
・天気図記号
天気、風力、風向(気温、気圧)
・高気圧
周囲より気圧が高いところを高気圧という
下降気流
天気は良い
※右回りで中心から外へ風が吹き出す
・低気圧
周囲より気圧が低いところを低気圧という
上昇気流
天気は悪い
※左回りで外から中心へ風が流入する
・前線
温暖前線
厚い層状の雲、しとしと雨
寒冷前線
積乱雲、突風、雷、にわか雨
停滞前線
閉塞前線
※それぞれの前線記号を暗記
・潮汐、潮流の基礎知識
潮汐(6時間ごとに2回)
潮高(最低水面からの高さ)
満潮、干潮
満潮〜満潮は12時間
1日に2回起こる満潮、干潮の潮高は同じではない
相次ぐ二つの満潮又は干潮の時間の間隔は一定ではない
地域によって干潮の時間は異なる
潮差(相次ぐ満潮と干潮との海面の高さの差)
大潮
小潮
(1)上昇気流
(2)下降気流
(3)ジェット気流
(4)乱気流
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1
(1)潮汐とは、気圧の変化により海面が上下する現象をいう。
(2)相次ぐ二つの満潮(又は干潮)の時間間隔は一定ではない。
(3)通常、満潮と干潮はそれぞれ1日に1回ずつしか起こらない。
(4)干潮の差は、上弦や下弦の月の頃に最も大きくなる。
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2
荒天時の操縦
・向かい波に対する注意
風波を斜め船首方向から受ける様にする
速力は舵の効く程度に調整する
・追い波に対する注意
追い波を受けて航行すると舵効きが悪い
船首が大きく揺れる(ヨーイング)
波の斜面を下ると舵が効かなくなる
船尾が横滑りし、波に対して横倒しの状態(ブローチング)
・横浪に対する注意
横浪を受けると横揺れが大きくなる
船体の横揺れ(ローリング)の周期と波浪の周期が、
同調すると転覆する危険がある。
・荒天に遭遇した場合の船内の準備
スカッパー(排水口)が開いていることを確認
重い荷物は低い場所に積むこと
(1)頂上
(2)上り斜面
(3)下り斜面
(4)谷間
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2
事故対策
・衝突時の処置
人命救助が最優先
・乗揚時の処置
エンジン停止
船体、プロペラの損傷や浸水の有無を確認
いきなり後進してはならない
冷却水と一緒に泥や砂を吸い込んでしまう恐れがある
・浸水時の処置
・火災時の処置
・人命救助、救命設備の取り扱い
(1)意識があるかどうか、外傷があるかどうかを確認する。
(2)呼吸がない場合は、回復体位をとらせて経過を観察する。
(3)水分を拭き取り、毛布などを使用して体温の低下を防ぐ。
(4)意識が戻っても、安静にさせて観察を続ける。
解答を表示する
2
まとめ
今回は一般科目の内容を記載しています。
上級運航については改めて更新していきます。
主な学科試験の中でも、一般科目は50問中、33問以上が合格ラインとなります。
33問以上の点数が取れていても、各単元で半分以上の正解がなければ合格となりません。
教科書と問題集を並行して読んでいく事が近道だとも思いますので、安易に教科書だけ読むや、問題集だけを見て取り組むだと、出題の手法によっては「引っ掛け問題」にハマる可能性も出てきますので、この点は注意が必要です。
まずは、試験日までに学科を何日間で習得していくかスケジュール管理を徹底して挑む事が大事だと思います。
是非、合格に向けて頑張ってください。
次回は実技試験の内容を体験もとに解説していきます。